カウンセリングは、お越しになった方のためだけに確保される時間です。
これがなくなってしまうと、非常に気の抜けた時間になってしまいかねません。
下記はフィクションですが、友人に真剣な話をした場合こんな経験をされた方もあるのでは・・・
カウンセリングでは、このような結果にならないよう、時間や場所を決めて外界のことを一時的にシャットアウトするかのような空間を作り出しています。
面接構造を持つカウンセリングでは、カウンセラーはその時間集中する
気心の知れた友人に、日頃考えている事や迷いを相談した経験を持つ方は多いと思います。
大いに語り合える場合も少なくはないと思いますが、時にその相談は何かの事情によって中断されてしまうことがあります。
早く帰って来て・・・大変なことが起きてるのと奥さんに呼び戻された友人
Aさんは、その日Bさんを食事に誘い仕事に対する思いのたけを話そうとしていました。Bさんも今日はとことん付き合うと言って、終電まで語らうつもりでいたのでした。お互い忙しく、数ヵ月前から予定していたことがようやく実現できたのでした。
しかし開始40分ほどで・・・
どうやら、話の途中で奥さんから電話です。なんでも急に実家から両親が予告なくやってきて奥さんだけでは間が持たないので帰って来てくれということだったそうです。
これは、友人同士であれば致し方のないやり取りだとは思います。
しかし、残された人の気持ちとしては、物足りなかったり、奥さんを優先されたちょっとした怒りも残るでしょうか。それに、急に両親が来たことはそこまで緊急の出来事なのでしょうか?
軽んじられた
なんとなく後味の悪い話です。軽んじられたとさえ感じる方もあるでしょう。
独り残されたAさんは、どこか惨めな気持ちが残っているかもしれません。
それは、自分には家庭がなく、仕事の事でこんなに熱い気持ちになっているのは自分だけなのか・・・などと感じたためです。
カウンセリングでは、その人の時間としてのみ確保する
しかしながら、案外こんなものなのかもしれません。
人間関係において、とことんその人だけの時間とすることは現代社会において益々難しくなってきているように思います。
泊まり込みの宴会などを経験された方もあるかと思いますが、格段にその数は減ったと思います。泊まり込みという背景には今日はとことんという意味があったのではないかと思いますが、現代社会ではなかなかそこに踏み切れない事情がたくさんあり過ぎます。
だからこそ、カウンセリングの様な空間を作り出す事には意義が浮かび上がってくると言えるでしょう。これはカウンセリングの方法の基本と言えることです。
そして、この空間を死守するにはかなりの労力を必要とすることでもあります。
時間を厳密に決めている
そして、上の例でお気づきになられたかもしれませんが、奥さんに呼ばれて帰った同僚との話は40分間で突然中断されました。カウンセリングでは、これは致命的なことになります。
もし初回60分と決めてお会いすることになっていたなら、その60分はその人のためだけに使われなければなりません。(お会計や次回予約の時間を含む機関もあります)
40分から50分の間にかけて何を語ろうとしていたのか、ひょっとしたらそこに非常に大事な思いが語られた可能性すらあります。
逆に、終了の時間も分単位で厳密に行うことが基本になっています。